PALAのワイナリーがあるのは、南の玄関口カッリャリの大港町から北へ30分程車で走ったセルディアーナという小さな田舎町。ワイナリーの周辺は古代サルデーニャ(ヌラーゲ)人の住居であった石の建造物が残る地域。ここだけ見ていると海をあまり感じない。石器時代にこの島に渡って来たヌラーゲと言われる人たちが住んでいたんだろうな、と想像はできるが、紀元前20世紀という事なので、どこまで行っても空想とロマンでしかない。
しかし、ワイナリーの人たち(オーナーはマリオ、輸出部長はファビオ)は、恐ろしいほどこの地に誇りを持っている人たちなので、延々と歴史を話してくれる。私の英語がとても適当なのと、あまりにも世界史を知らない私は、半分以上、理解できなかった。
でもまぁ、なんとなくコミュニケーションは取れるもので、王様の家や仕える人たちの家、農園や作業場、身ぶり手ぶりで少しわかったような気がする。
ヌラーゲの住居跡を見た後、なんと「いまからビーチに行こう!」と誘われ、そのままビーチへ一直線。
サルデーニャは世界屈指のリゾートアイランドで、観光客数も世界で1・2位だと言っていた。本当にすごい数の人たちがビーチを埋めつくしている。
美しい海ときれいなビーチ、ビーチパラソル、格好いい海の家。完全に映画の世界。ビックリしたのは、海の水がとても冷たいこと。陽差しはまだまだたっぷりだったが、海に入るには気合いがいるほど。そしてもっとビックリしたのがトップレスの女性が多いこと!経験したことがない状況にあせりまくり。「これは普通?」と聞いたところ「普通、普通!」との返事。目のやり場に困った困った、すごかった。そしてその日は、ビーチフロントのレストランで楽しい夕食。やはりシーフードのみ。スペインが長期間統治していた事もあり、パエリア的料理が目立つ。内陸部や山岳エリアがどうかは良くわからないけど、北のアルゲロでも同じだった。すごく海に直結した料理ばかり。
魚貝からとったスープにムール貝とあさりのフレーグラ。おそらくカジキマグロの燻製が載ったフレッシュなサラダ。エビとチーズの入ったクルルジョナス、緑のソース。そしてそこにPALA社人気のロゼCHIARO DI STELLE。このワインは軽い目に仕上げた辛口のロゼで素晴らしくシーフードに合う。何杯でも飲めてしまう。ブドウは何種類かのブレンド。色調は淡いサーモンピンク。ピカピカと輝いている。単純においしい。スムーズ。私はロゼワインが大好きだ。何年も前からロゼを良く飲む。家の冷蔵庫には何かしらのロゼを冷やしている。
この日、カッリャリ近くのビーチのレストランでいただいたCHIARO DI STELLEロゼは、とびきり美味しく感じた。そして次のワインに移る事なく、ロゼを飲み続けた。
辺りが薄暗くなる頃、ようやく夕食もお開きを迎えた。すでに22:30。サルデーニャの一日は長い。
とりあえず初カッリャリは私にとって、とても内容がある一日になった。