Italia Trip

Mr.Kのイタリア旅日記 vol.5

2021.08.02
 

2018年9月8日
カンパーニア州 イスキア島 第1話 Pietratorcia

久々にイスキア島を訪問した。と言ってもあの時で二度目。
目的は、2017年からお付き合いが始まったピエトラトルチア社への訪問。当社がイスキア島のワインを扱うのは初めてだったので興味津々だった。

初めて行ったのは、10数年前のカンパーニア州からいただいた招待旅行でワイナリーを廻りランチを食べ島観光をして夕方にはナポリに戻ったと思う。
フェリーの到着時間を伝えていたので、オーナーでありワイン醸造家VITO氏がForio港で待ってくれていた。

港からは15分ほどでワイナリーに到着。小さなワイナリーでVITOの家族はとなりの母屋に住んでいてレストランも併設している。ワイナリーとしては小さいが、家として見た場合は相当大きな家という事になり、相当大きな敷地という事になる。そこで驚いたのは、なんとこのワイナリーは、10数年前のイスキア島初訪問の時に来ていたのだ。ただ当時は取引がなかったので、ランチを食べに来ただけだったが、その時に飲んだワインがここのワインだったという事だったらしい。
その話をすると、VITO氏も覚えていたようでその時の話題で盛り上がった。

イスキア島は紀元前7世紀ごろからブドウ栽培が盛んであったとされている。そして、ここ何十年かの間に目まぐるしい進歩を遂げている。栽培技術、醸造技術、機械開発。全てが進化していく中で、ワインの味わいも間違いなく良くなっている。私自身はピエトラトルチア社以外のイスキア島のワインをあまり飲んだ事がないので、イスキアのワインは?と言ったコメントはできないが、少なくともピエトラトルチア社のワインに関して言えば、透明感がありクリーンなイメージ。スパイシーなトーンもある。年中、塩気を含む風が畑をかけ抜けるので塩味を含んだドライな味わいが、全ての魚貝類の味をひき立てる。

お椀をひっくり返したような格好をしているイスキア島は、ブドウ畑もかなり急斜面にへばりつくようにつくられている。

多くの畑に植えられているのは白がビアンコレッラ(BIANCOLELLA)、フィアーノ(FIANO)、フォラステッラ(FORASTELLA)、グレーコ(GRECO)、マルヴァジーア(MALVASIA)など。
赤がピエディロッソ(PIEDIROSSO)、ガルナッチャ(GUARNACCIA)、アリアニコ(AGLIANICO)、シラー(SYRAH)などなど。

ピエトラトルチア社も例外ではなく、標高50m程の海に近い斜面や標高100〜400mの急斜面に畑を持っている。しかも島のいろんな地区に畑総面積7ヘクタールほど所有しているので畑を見て廻る、イコール島中をドライブする事になる。

島は1時間程度で一周できる。しかしどこに行っても最高に美しい景色だった。特に天気の良い9月初旬だったので、全てがきれい。透き通るような空気感。まもなく収穫を迎えるブドウ畑。すでに一部の白ブドウは収穫が始まっていた。
まさにこれからが最盛期。一年のうちで一番忙しい時期が来る。
今年もきっとそうだろう。

あらためて、コロナ禍で思うことは一つだけ。
がんばって素晴らしいワインを作り続けてください。よろしくお願いします!